KITE マイクロプロセッサでは,動作を開始するとまず最初にベクトル・スタート処理を 行います.ベクトル・スタート処理とは,プロセッサがあらかじめ決められた番地に格 納されているデータをスタート番地とみなして実行を始めることであり,KITEマイクロ プロセッサでは,その番地は[FFFh]となっています.ただし,KITE マイクロプロセッサ ・ボードでは,その領域はROMに割り当ててあり,容易に変更することができません.そ こで,以下の簡単なプログラムを利用して入力ポートから任意にスタート番地を選択す ることができます.では,その動作の詳細を説明していきましょう.
Addr Code Mnemonic .text FF0 C800 in 00 FF1 F00C mv pc,acc FFF 3FF0
命令の実行を理解していく前に,ここでは KITE マイクロプロセッサの設計方 針を少し説明しておきます.上述したように KITE マイクロプロセッサでは動 作開始時にベクトル・スタートを実行しますが,その時の最初の動作はARの示 すアドレスの内容をPCに持ってくることにします.そこで,KITE マイクロプ ロセッサ設計段階において,ARの初期値(RESETキーを押した直後の値)を [FFFh]としておくことによって,動作開始時において,必ず[FFFh]番地の内容 を読み出しにいくことになります.[FFFh]番地には,[3FF0h](jp FF0h)を書き 込んでいますので,[3FF0h]の下位12bit[FF0h]をPCに転送します.この jp 命 令の実行により,次の命令はPCの示しているアドレス([FF0h]番地)から実行す るようになっているのです.
[FF0h]番地には,[C800h](in 命令)を書き込んでいますので,以下は各命令の 実行フェーズに従って,[FF0h]番地の in 命令および次の[FF1h]番地の mv 命令を実行していきます.
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