VHDLの概要


VHDL (VHSIC Hardware Description Language) は,VHSIC (Very High Speed Intergrated Circuit) の開発を進めるために,アメリカ合衆国国防総 省のプロジェクトのもとで開発が行われました.現在,IEEEによってIEEE Std. 1076-1987 および IEEE Std. 1164-1993 規格として正式に承認され,世 界の標準としての位置を占めるにいたっているハードウェア記述言語です.

難しい言葉や定義はここではやめておきましょう.では,実際にVHDLではハー ドウェアをどのように表現するのでしょうか.ここでは,論理回路の記述を例 に取り上げ,簡単に説明します.<図:半加算器(a)>はXORゲートとANDゲートを 用いた半加算器の構成を示しています.このような回路の表現は馴染みのある ものでしょう.一方,この論理回路をVHDLで記述したのが<図:半加算器(b)>で す.記述文法は以降の章で詳しく説明しますので,ここでは概観だけを理解し て下さい.3,4行にそれぞれ,排他的論理和(xor)と論理積(and)の記述がみら れます.VHDLではこのようにして論理回路を表現するのです.

図:半加算器

また,この半加算器の内部構造をブラックボックス化して,一つの機能ブロッ クとして書いたものが<図:半加算器の機能ブロック(a)>です.これをVHDLでは, <図:半加算器の機能ブロック(b)>のようにして記述します.3〜6行で信号線の 入出力の種別が記述されています.ここで示したVHDLによる記述の例は断片的 なもので,この記述のみで回路が作成されるわけではないことに注意して下さ い.完全な記述は次節以降で説明します.


図:半加算器の機能ブロック

VHDLは,現在のプログラミン言語の体系を基本としてモデル化されています. このため,ある種のプログラミング言語でプログラムを記述したことのある方 は,容易に理解できるかもしれません.しかし,そうでない方にもVHDLの基本 的な記述方法を理解できるように説明します.


次は,VHDLにおける2つの記述レベル (ビヘイビアレベルとレジスタトランス ファレベル)について学びます.

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